プロレス

スポーツ名場面〜プロレス

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スポーツ名場面〜プロレス



  私は中学の時から大のプロレスファンだった。
  周りのプロレス熱もすごくて、
  よく会場に足を運んだ。


  当時、プロレスは八百長か八百長じゃないか、
  という論争がよくされていた。
  私は本気で八百長じゃない!と言い張っていた。
  あんなに、感動できるものが八百長なわけがない!と。


  その後、元プロレスラーの人と知り合う機会があり、
  その人はあっさりと、八百長だよと教えてくれた。
  試合前にちゃんと打ち合わせがあるらしいです。
  ただ、瞬間瞬間ではケンカになるらしいけど。


  私の夢は壊れたが、プロレスが楽しくて
  感動できるショーであることには変わりありません。




  




  1993年、夏。最強を決めるG1クライマックスの1回戦。
  私たちは両国国技館のリングサイドにいた。
  メインイベントは橋本真也VS馳浩。


  これまでの対戦成績は橋本の全勝。
  誰が見ても、馳の方が分が悪かった。


  序盤戦、お互いにアマレススタイルでの攻防が続く。
  この時点では互角だった。
  どちらかというと、橋本は破壊的な打撃を出すのを
  我慢している感じで、
  馳は少しでも相手の体力を奪っておこうという
  緻密な作戦のようだった。


  関節技が離れた瞬間、バシン!!という
  乾いた音が会場に響きわたった。


  橋本が馳の胸板を思いっきり蹴った音だった。




  




  そこからは、一方的だった。
  キック、スープレックス、関節技、DDT、
  馳はボロ雑巾のようにひたすら受け続けた。


  しかし、3カウントを聞くことはなかった。
  絶える馳、攻め続ける橋本、
  10分以上そんな状態が続いた。


  これで終わりだ!と橋本が最後に狙った
  ロープに走ってのジャンピングDDT。
  その時だった!!


  馳が一瞬の裏投げで返した。
  片エビ固めで押さえ込む馳。
  ワン、ツー、スリー!!


  大逆転勝利だった。
  信じられないという表情の橋本。
  喜びを全身で表現する馳。


  私たちは全員、鳥肌が立っていた。
  この試合で馳が出した大技は
  この裏投げ一発だけだった。




  




  実力差のある橋本に破壊的な技を受けながら、
  勝てる瞬間を、虎視眈々と狙っていたのだ。


  鳴り止まない馳コール。
  大音量でかかるテーマ曲。
  会場は絶頂に達していた。


  これは今から考えると、単なるシナリオだったの
  かもしれない。だが、私たちが感動したのは
  紛れもない真実だった。





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